ものすごい映画を観てしまった。。。
なんでひさしぶりのブログが機械加工に関係ないのかはさておき。
配信で映画「怪物」(監督:是枝裕和)を視聴。あらすじは別のところで見てください。3パートありまして、1パート目の安藤サクラさんのところは観ていて苦しい。逃げ場無い。緊張感で握りつぶされそうになる。「この息子が怪物でサイコパス的なもの?それに欺けられるお話?」と予想するが、「なんだかいじめられているのか?」とも思う。学校にいくと酷い教師たち、私が大人を疑う基礎を培った小学生時代を思い起こす。だから大人は信用ならないんだ。まぁもう私は年齢的にそんな大人になってしまっているわけだが。。。田中裕子の演技が怖すぎる、怪演でしょう。2パート目の永山瑛太さんのところは、ようやく1パート目の苦しみから解放されてすこしは気楽に観れた。着任しすぐに職場をやめることになるのは気の毒だ。
ここまでは普通の映画かなと思っていましたが、この映画の評価を決定的にしたのは次の3パート目、麦野くんと星川くんパートです。一発パンチを喰らったような感じです。観てる最中から悶え苦しんでました。
本題(3パート目の感想)
箇条書きになってますがご勘弁を、まだまとめられないのです。一発喰らった影響です。時系列バラバラです。
列車は運命のメタファー、決められた経路で決められた時間に走る。でも作中の列車は廃墟になっていて、しかも線路は廃線で、一部はフェンスに塞がれて渡れない。だから星川くんと麦野くんは初めから運命を選べない。選択肢がない。列車は星川くんの秘密の場所。それを教えるのは麦野くんが特別な証拠。両想いだったのだ。
少年のあのわずかな期間、第二次性徴期に入ってから変声期に入るまでの一瞬。その一瞬にしかない特有の美しさ。無自覚の美しさ。この一瞬の美しさを自覚できる男はいない。そんな期間にあんなことやらせて良いんだ!?そんなのありかよ!だってまだ初恋もしてないかもしれない少年二人の役者に、LGBTを知らない二人に、少年同士の純愛をやらせるなんて!役者に影響あったらどうするんだよ!
麦野くんは男だから好きなのか?違う、星川くんがだから好きなのでは?星川くんはゲイ、だから父親から「頭に豚の脳みそが入ってる」と言われて、虐待も受けるし、おばあちゃんの家に引っ越し転校させられるし、好きな女の子がいるなんて嘘をつくように強要される。
最後の二人は死んでいると思う。この世界には選べる運命が初めから無かった。その廃墟列車は台風による土砂崩れでなぎ倒された。世界の片隅にあるわずかな居場所もなくなった。運命(線路)から外れているからこそ、二人の居場所がある。でもそこは長く居られない場所だった。
死んでないと監督は言うが、だったら過剰演出だよ。死んだものと思いたいその方が耽美的だ。
線路を阻むフェンスがなくなって、乗れる列車が無いなら、走っていくしかない。自らの脚で。でもこれは解放なんだと思う。生まれ変わりじゃない。二人は二人で死んで、死んだことで二人は一緒にいられるようになったのだ。
星川くんが転校するなんて突然言い出して、麦野くんが「お父さんに捨てられるんだ、笑う」なんていうと「そうだね。」と返ってくる。麦野くんは慌てて「わざと言った」と否定する。「怒ってないよ。」は星川くん。麦野くんは「居なくなったら嫌だよ。」(ここの言い方が良いんだな。)と言って詰め寄る。顔が近い!美少年二人見つめ合い!星川くんから抱いて、耳元で湊と名前をささやくなんて、ませすぎ!ニヤニヤがとまらない。もだえるおれ。やっぱり是枝監督はショタコンでは?過去作でもこの年代の男の子がでてくるし。私はショタコンでもゲイでもないです。
いやー、良かった。抱き合うのかな?と思ったら星川くんからハグして、でも麦野くんは突き放して。良かった。安易に抱き合ったらしょーもないBLだもん。リアルは抱き合わない。普通の小学5年生の少年は少年同士で二人きりで抱き合わない。そこが良かった。
喰らった。一発喰らった。安藤サクラさんと永山瑛太さんのパートはもう記憶が薄れるくらいの少年二人の時間だった。大人たちパートで描かれた「誤解」や「暴力」が少年パートで美しい純愛に塗り替えられる。「もう戻れない、でも美しかった」という感覚。でも無自覚。これは「少年のあのわずかな期間、第二次性徴期に入ってから変声期に入るまでの一瞬。その一瞬にしかない特有の美しさ。無自覚の美しさ。」があるから活きてると思う。こころにトゲが刺さっている。
クラスで麦野くんのとなりに座る女子は完全に腐女子。私の小学生時代や中学生時代に似たような女子いたな。教室でBL読んでるの。なぜか髪の毛長い、肩甲骨から腰くらいまである。そしてなぜか前髪分ける。中学生になったら美術部にはいって腐女子仲間を見つけて趣味に没頭するのだろう。(ド偏見)
あぁ。とにかく少年二人が美しかった。自らの抱えた、抱えてしまった感情や思いを頭で理解できなくて、でも無視できなくて。現実とのギャップで苦しむ。こんな映画だと思わなかった。不意打ちくらった。まだ余韻がすごいです。まだ少年パート観ていたかったな。
おわり
はぁ、余韻のせいで仕事中でも「怪物」のことを考えてしまう。不思議なことにネットで映画の感想を探しても、なぜか少年二人の純愛を語る人が居なかった。その美しさを無視してる人が多かったので無性に書きたくなりました。
お時間あれば観てください。
最後に名曲、坂本龍一さんの「aqua」を貼っておきます。
映画 怪物