マイクロメーター、それは昔より機械精度が上がり、同時に製品に求められる寸法精度も上がった今日の機械加工者に欠かせない測定器具となっている。
百分の1の精度まで見ることができるマイクロメーターは皆さんも使ったことはあると思います。
その中で自分の現場で「インサイドマイクロ」と呼ばれているものを紹介したいと思います。
ただの棒ではない。

そう、ただの棒ではないんです。
使い方は簡単。
このマイクロを内径にいれて、
中で伸ばせばどこかで、止まるのでその時のメモリを見る。(自分はこのマイクロのメモリを信用してないので別のやり方でみます。)
でも、まっすぐにして伸ばさないと、百分の1ですからすぐにメモリは変わります。
まぁ、簡単に言うことはできますが、実際にやってみるとこれが難しい!
前後左右斜めに揺らして、どこが一番内径が大きい所かを探します。
前後左右斜めに揺れて、そのまま伸ばすと、ピタッと止まって微妙な動きができない。
なので、短くするが、そうするとまた1から。
ピタッと止まったところが、確実な寸法かどうかは完全に自分自身の感覚です。
一回目と二回目とで、寸法が違うことはよくあるので、納得できるまで何度も測りましょう。

こういう感じです。
内径に入れている時はメモリを見ません。
伸ばしながら、揺する。
揺する時に、上と下が同時に動くとやりにくいので、自分は左手で下を抑えて右手で伸ばしながら揺する感じです。
そして、このマイクロのメモリを読む方もいると思いますが、
自分は違います。

このマイクロそのものの、メモリが動かないように内径から出して、
外径マイクロメーターでこの棒を測ります。
理論上は数値が同じはずなんですが、これが違うんです。
ここが問題です。
どっちのメモリを信用するか、
この画像のように古くて、今まで誰が管理していたかわからなくて、どんな使い方されてきたかわからない。
しかも、このマイクロそのものの使い方に慣れていないなら、
外径マイクロメーターで測り直すやり方のほうがいいと思います。
新品や、しっかりと管理されてきたマイクロならそのままのメモリを読めばいいと思います。
この現場で、きれいなマイクロを使ったことがないのでわかりません。(町工場、中小企業工場あるあるですね。)
結局は主張すること。
まぁ、でも、
結局自分の感覚なので、
自分が寸法に入っていると思っているなら、確信しているなら、
自信をもって、「できてる!」と主張しましょう!
検査も同じく自分の感覚で測定しています。
「お前の感覚がおかしいんだろ」
とは言えませんが、実際には言えませんが、
それぐらいの気持ちを持って、強く主張することがこの測定器を使用する上で
一番重要なんだと思います。
半分マジです。
もう半分は当然ですが、しっかりと測定できるようになることです。
できる人に、測ってもらって自分と比べましょう。
できる人のやる方を真似するのは、これでも同じですね。
一人ではなく、持ち場の先輩、検査の人、他の持ち場の人。いろいろ見てもらいましょう。
あといろいろ。
インサイドマイクロは内径を測るマイクロの総称です。
これは、製品名だと思いますが、今回のやつは棒型マイクロメーターとか言うらしいです。
あとなんで、シリンダゲージで測らないかと申しますと、
内径が300くらいのシリンダゲージの測定部が、内径の測定面に当たらないからですね。
ワーク形状がそういう時や、内径が現場にあるシリンダゲージで測れないくらい大きいと、このインサイドマイクロを使います。

本来は、こういうふうに箱に入って保管していると思います。
ネジでつなげているんですね。ここで思うのがこのネジがすり減ったら寸法が変わるよな~ってことです。
そのことを考えると、やっぱり、外径マイクロメーターで測り直したほうがいいのかな。
まぁ、とりあえず
このマイクロは自分の感覚次第なので、最初は面倒ですが嫌がらずに経験を積むべきことです。
何も具体的なアドバイスができませんが、頑張ってください。
上記の本の中にインサイドマイクロの項目があるかどうかは不明です。