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びびりの種類と対策

お久しぶりです。 とるにおです。

実はもう、新しい職場で働いているんですが、ブログやTwitter以外のことに頭がいっぱいで、投稿がありませんでした。

まぁ、今回は初心に帰って、「びびり振動」です。

 今回は機械加工者の永遠の悩みのタネである「びびり振動」です。

「びびり振動」は精度や面粗度の悪化だけでなく、治工具や設備の寿命にも影響を与えます。

剛性に配慮して設計した工作機械であっても、ワークと工具、機械の組み合わせによっては「びびり」と呼ばれる加工異常が発生することがあります。

びびり振動の種類

種類

 びびりが発生した際に調整する加工条件としては、”主軸の回転速度”、”送り条件”、”切り込み”があり、送り速度や切込みは条件が厳しいほどびびりが生じやすい、これが発生した場合にはこれらを下げることで解決できることが多い。

一方で、主軸の回転速度については、回転速度を下げるのではなく、上げることでびびりが解消した経験がある方もいると思います。回転速度でのびびりの解消は人の感覚と異なるため、条件の探索が難しくなります。

ですが、感覚なので経験を積めば悩まずに一発で回転速度を決めれることもあります。職人と呼ばれる域にいる加工者がびびり出しても悩まずに回転速度を変えてびびりを失くす場面を見た方もいるかと思います。

強制びびり

 強制びびりは、工具の切れ刃がワークに接触する際の衝撃や、ワークを除去する際の切削力に起因して、フライス加工などの断続切削時に発生しやすい。

この対策として、加振力となる切削力を小さくすることがポイントとなる。

例えば、送り速度を下げたり、切り込み量を小さくして加振力を小さくすることが有効である。

再生ビビリ

再生ビビリは、工具とワーク間に生じる加振力と相対振動のフィードバックによって発生する。

その原理について、下の図で説明する。

工具やワークは常に微小な振動が生じており、それが加工面へうねりとして転写される。一周前のうねりが転写された面を加工することで周期的な切りくず厚さの変動が生じる。これが周期的な切削力の変動となって、工具とワーク間に相対振動が発生する。このフィードバックを「再生効果」と呼ぶ。この再生効果により振動が大きく成長するのが再生ビビリである。

この再生ビビリの対策としては、再生効果による周期的な加振力が起きないようにすることであるが、加工形態や加工条件により有効な対処方法が異なる。

回転速度を低くすれば切り込み量を増やせる。回転速度を上げたければ、切り込み量を下げると、再生効果に関しては効果がある。

ミーリング加工

ミーリング加工は旋削加工と比較して高速度域での加工が多い、高速度域では切り込み量が一定の場合、回転速度に応じてビビリ時とビビらない時が切り替わるため、ビビらない時の最適回転速度へ調整することが有効である。

これは、最適回転速度へ回転速度を調整すると下図のように一周前の加工面に転写された振動と位相が一致することで切りくず厚さの変動がしなくなり、再生効果によるビビリの成長が起こらないことによる。

旋削加工・ボーリング加工

旋削加工やボーリング加工は、ミーリング加工と比較して低速度域での加工である。ミーリング加工の高速度域と異なり、低速度域では回転速度によってビビる、ビビらないの差が明確にないことがある。

 

この場合、回転速度を変動させることが有効である。回転速度を変動させることで下図のように切りくずに周期的な変動がなくなり、ビビリの成長が抑制される。

加工者がビビリが発生したときに、回転速度を上げたり下げたりしてビビリを回避することは、この原理によるものである。

ねじ切り加工

旋削加工によるねじ切り加工は、通常の旋削加工と同様に低速度域での加工であるが、加工形態に合わせた対策をとる必要がある。通常の旋削加工はワークが一周すると前の加工面を重複して加工することになる。つまり、1パス内での再生効果がビビリの原因となるため、回転速度の変動が有効である。

一方、ねじ切り加工では、1パス内での前の加工面を重複して加工することはない。しかし、同じねじ溝を複数パスで繰り返し切り込んで行くため、前回のパスと今回のパスの加工の間の再生効果がビビリの原因となる。

この場合、下図に示すように前回のパスと異なる回転速度で加工することで、前回のパスの加工面と今回のパスの、うねりの周期が揃わないようにすることでビビリを回避することができる。

まとめ。

 こんな感じで「びびり振動」に対してアプローチをする加工者がいただろうか!?

きっといない。町工場や中小企業レベルじゃ絶対にいない!

自画自賛させてもらいます。(*´ω`*)

まぁ、元も子もないですが、最終的は感覚ですね。ワークと保持の仕方、工具やマシンの剛性などでびびる前に、察知してびびらせない!

これができるようになると加工者として、技術者として技能者としても、他の人間とは、いやもしかしたら、これから出てくる「AI」にも勝る存在になるような気がします!

これからも、自分を自分自身の力でレベルアップさせましょう!

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